福岡天神地下街

先日の福岡日帰り出張の空き時間、冷たい雨も降っていたので天神地下街で時間を過ごしました。

天神地下街は、公共空間としてはたいへん特異な空間です。
昼も夜もいつでもこのようにしっとりと暗く、間接照明による光が趣のある雰囲気を醸しています。

全体

天神地下街は1976年に開業。福岡市の中心である天神を南北に貫くこの地下空間は、
〜都市と商業の交通、そして人が豊かに交流する、大きな「劇場」としてデザインされています。通路は、客席、店舗は舞台、商品とショップスタッフが脇役の俳優、さらにお客様がそれぞれの素敵なパフォーマンスを楽しむ主役なのです。〜
天神地下街公式HPより)

扉
各ショップに設けられているスチール扉です。ショップが閉店しシャッターを閉めた後に店員さんが出入りしたり避難したりするための扉ですが、それぞれしっかりデザインされており、扉上部にはナンバープレートが。まるで楽屋の扉のようで、ここにも「劇場」というコンセプトを実現する意志が感じられます。
駐車場扉これは地下駐車場へ通じる扉。やはり雰囲気づくりに一躍かっていますね。

「時計機械室」と書かれた扉も気になります!この「時計」というのは、

時計

こちらのからくり時計のことです。時計機械室、一体どんな部屋なのでしょうか。。

 

黒い天井は、実は唐草模様のアルミキャスト。このように全体に繊細な立体格子になっています。しかしこのアルミキャストは光をほぼ吸収する素材です。そのため照明が設置される部分には白いレフ板が設置されていて、光をなめらかに反射させ拡散させています。これが等間隔に設置され、街路のような空間づくりにつながっています。
照明1

9年前に地下鉄七隈線の南天神駅ができるのに合わせ、天神地下街は南に増築されました。この増築部分も、天井には黒いメッシュをアーチ状に使っており、既存部のアルミキャスト天井とデザインの連続性が感じられます。

南新館
このように、すみずみに渡るコンセプト実現のための設計者の丁寧な努力が、増築の際もスムーズに同じイメージを継承し長く愛される建築となることにつながっているのでした。

福岡へ行かれる際はぜひこの天神地下街に立ち寄り、他に類を見ない地下空間を味わってみてくださいね!

都留理子@家をつくろう会議

http://iekaigi.com


2016-01-30 | Posted in 日常のこと, 都留理子No Comments » 

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